このニュース、知っていますか?
「プラスチックの過剰包装、無くせませんか?」高校生の問いかけ。製菓会社2社は前向きな受け止め(BuzzFeedNews)
とある女子高生がお菓子の過剰包装を改めてほしいと、オンライン署名を実施。18000人分の署名を集め、亀田製菓とブルボンに提出しました。
プラなし生活を読んでくれていたこの女子高生さんは、オンライン署名を立ち上げた際に私たちにメッセージをくれました。
その行動力に感銘を受け、すぐに署名に賛同し拡散。はじめ賛同者は600人くらいでしたが、たくさんの方々に広まり最終的に18000人もの署名を集めるまでに。
ネットや新聞でもこの活動が日々取り上げられ、世間の注目を集めていくのが手に取るようにわかりました。
最終的にこの署名を持って、企業との話し合いの場にこぎつけます。
もともとこの2社は環境問題については前向きで、彼女の訴えも否定することなく受け入れてくれました。
彼女と企業の2者のやりとりだけ見ると、とても爽やか。私たちも応援してよかったと思えます。
でも世間の見方は違っていました。
とあるニュースサイトにこのことが取り上げられると、コメント欄にはバッシングの嵐。いわゆる「炎上」というやつです。
「真っ当なことを意見することも許されないのか」と私はそのコメント欄を見て悲しくなりました。
誹謗中傷と言われるようなものは建設的なやりとりが見込めないので無視するのが一番ですが、そうではない意見も確かにあります。
例えば、
- 高温多湿な日本で包装が担う役割は重要。下手したら食品ロスにつながる。
- 割れやすいお菓子はどうする?バキバキに割れた商品は誰も買わない。
- 個別包装じゃないと湿気る。シェアすることもできない。
- グリコ・森永事件を知らないのか。毒物混入とかされたらどうする。
こういった意見がたくさんありました。確かにそうなんだけど、読んでいてずっとモヤモヤするものがあって…。
このモヤモヤは何だろうと思っていたら、一つの答えに行き着きました。
これって個人にぶつけることじゃなくない?
みんな心のどこかでは、過剰包装で出るたくさんのゴミにうんざりしている。一瞬で捨てられるもったいなさにも気付いてる。
この女子高生さんは、そんなたくさんの心の声を企業に届けようとしました。企業は消費者からの声が出なければ、「このやり方で受け入れられている」と思います。
でも、彼女は「いや違うよ」「本当は過剰包装やめて欲しいけど、いいアイデアがないから言わないだけ」という企業にとって大事な消費者の声を届けたに過ぎません。
だから、上のような意見は個人にではなく、企業に伝えるべき。「包装のあり方を問われているけど、上のような問題はクリアしてくださいよ」と。(当然言われなくても企業は考えてることだけど)
企業はその2つの消費者の声を受け止めて、知恵を絞り、新しい商品開発に結び付けないといけない。
「できない理由」を個人にぶつけるようにして、その主張を封じ込めようとするのはちょっと暴力的だと思います。
あと多かった意見が、「何で亀田製菓とブルボンだけを批判する?他にもお菓子メーカーあるでしょ。圧力かけられて不憫だ」というような声。
この2社を選んだ理由は、「環境問題に前向きな企業だから意見を聞いてくれると思った」ということでした。
もちろん他にもお菓子メーカーはたくさんありますが、一消費者が企業に声を届ける時に「国内のお菓子メーカー様へ」としたところで聞いてくれる企業があるでしょうか?
やっぱりターゲットを決めるのは大事だと思います。そうすることで、より主張がはっきりとして注目を浴びやすくなります。そうするとメディアが取り上げる。現にいくつものニュース記事になっています。
「圧力をかけられてかわいそう」と企業を思う気持ちもわからなくはないですが、私たち消費者もCMという形で企業から圧力をかけらていますよね。
ものすごくわかりやすい例でいうと、除菌や消臭スプレー。
除菌しないと菌が大繁殖するような映像、消臭しないと周りが自分の体臭で迷惑そうにする映像。そんなCMを1日に何度も目にすれば、無意識に「これ使わないとヤバい」みたいな気持ちになってきます。
これって立派な圧力(洗脳)じゃないかなと思うんです。
それを選ぶ・選ばないは自分次第です。企業も、その声を聞く・聞かないは企業次第。だから「かわいそう、不憫だ」というのは違うかなと思います。
そんな中、再度女子高生さんからメッセージをいただきました。
やっぱり、かなり落ち込んだようです。(そりゃそうだよ。。)
でも、企業にしっかり声を届けてきますと明るい言葉が並んでいました。
これを受けてプラなし生活としてもっとプッシュすべきか悩みました。さらに炎上して傷つけてしまわないか、それが心配でした。
だからこの場で、私個人の考えですが応援の気持ちで書かせていただきました。
いろんなご意見があるかと思います。でも何か行動を起こさないと変わりません。「そんなの無理」「他に方法がない」「そんなことしたら成り立たなくなる」と言うのは誰でもできます。
そんな声を真正面から受けて、それでも企業との話し合いまで成し遂げたこの女子高生さんに私は敬意を表します。
最後まで読んでくださりありがとうございました!