この本は、スリランカの僧侶 アルボムッレ・スマナサーラさんが、仏教の教えに沿って本当の「やさしさ」についてわかりやすく教えてくれます。
何度か読み直しましたが、読むたびに新しい気づきがあります。何だか、今までよりも人付き合いが楽しくなってきました。
気を使いすぎて疲れてしまう人には、ぜひ読んでほしい一冊です!
「必要なもの」と、「欲しいもの」
まわりの人の目が気になって、「こうしたらどう思われるかな…」とか、「嫌な思いさせてないかな…」とか、色々考えすぎてしまいがちな私。
たぶん根底にあるのは、「嫌われたくない」ってことなんだと思います。
必要以上に相手のことを考えすぎて、疲れてしまいます。ハァ。
でもこの本が教えてくれるのは、相手の「必要なもの」だけ満たしていればOKということ。
”「必要なもの」を満たす”って何なのか。
これめっちゃ簡単なことです。
相手が「ただいま」と言えば「おかえり」と言ったり、子供が「できた!」と言えば「すごいね〜!」と褒めてあげたり。
のどが渇いて今にも干からびそうな人がいれば「お水どうぞ」とすすめたり。
そういう自然に出てくる「必要なもの」を満たすってことが、「やさしい」ということ。
「必要なもの」が行き過ぎると「欲しいもの」になってしまうのだそうです。そして、それを満たすのは結構無理が生じます。
相手にとって「必要なもの」を満たして、逆にこちらも「必要なもの」しか求めない。
お互いに無理がなくて、心地いい関係。これが「やさしい」ということです。まさにストレスフリーな関係!
「エゴ」が曲者
自己中心的な考え、つまり「エゴ」があると、「もっともっと!」と相手に求めてしまったり、「なんで私がやんなきゃなんないの?!」といった気持ちが出てきます。
まわりにいる人はだいぶ迷惑ですよね…。
エゴのない人は、必要なことならクールにさっさとやってしまいます。
本では、こういう人をネットワークの中の「スーパーコンピュータ」、エゴの事をネットワークに流れる「ウィルス」に例えてわかりやすく説明してくれています。
エゴをなくすって簡単にはできないことだけど、「どう考えればエゴを無くしていけるのか」というヒントもたくさん書かれています。
修行中のお坊さんや、仏教の世界に従事している人だけの話ではないんですよね。
普通に生活している私たちにとっても、というか欲まみれになってしまう私たちだからこそ、知っておきたいお話です。
まわりの人との人間関係で息苦しさを感じていたら、ちょっと肩の力を抜いてくれる本です。
この本の情報
書籍名 | 「やさしい」ってどういうこと? |
著者 | アルボムッレ・スマナサーラ |
出版社 | 宝島社 |
ISBN | 978-4-7966-5955-0 |
価格 | ¥900(税抜き) |